2025年6月30日、日本初のプロゲスチン単剤経口避妊薬(ミニピル)である「スリンダ錠28」が発売されました。スリンダ錠28は従来の低用量ピルとは異なり、エストロゲンを含まず、より多くの女性にとって安全な選択肢となることが期待されています。
💊 基本情報
成分:ドロスピレノン 4mg(1錠あたり)
構成:実薬24錠(白色)+プラセボ4錠(淡黄色)
👛 価格
1か月分:3,850円(税込)
3か月分:11,000円(税込)
🗓️ 服用方法
1日1錠を毎日同じ時間に、28日間連続で服用します。
⚠️ 飲み忘れてしまった場合
1日飲み忘れた場合
すぐに飲み忘れた薬を1錠服用し、その日も通常どおりの時間に服用します。
2日飲み忘れた場合
気づいた時点ですぐに飲み忘れた薬を1錠服用し、その日の錠剤も通常どおりの時間に服用します。※他の避妊法(コンドームなど)を使用するようにしてください。
3日飲み忘れた場合
服用を中止して、次の生理を待ってから再開してください。※他の避妊法(コンドームなど)を使用するようにしてください。
2日以上連続した飲み忘れにより妊娠する可能性が高くなります。飲み忘れがあった周期は他の避妊法(コンドームなど)を使用するようにしてください。
🔶 他の経口避妊剤から切り替える場合
他の経口避妊剤からスリンダ錠28に切り替える場合は、前の経口避妊剤の1周期分の錠剤のうち、有効成分を含む錠剤を用法に従ってすべて服用した翌日からスリンダ錠28の服用を開始します。服用開始が遅れた場合、妊娠する可能性がありますのでご注意ください。
また、子宮内避妊器具又は子宮内避妊システム(ミレーナ)から切り替える場合の服用は、除去後同日に服用を開始します。
🔍 従来の低用量ピルの比較
特徴 | スリンダ錠28(ミニピル) | 従来の低用量ピル(COC) |
ホルモン成分 | ドロスピレノン(プロゲスチン単剤) | エチニルエストラジオール+プロゲスチン |
エストロゲン含有 | 含まない | 含む |
血栓症リスク | 低い | 高い |
避妊効果 | 高い(99.6%) | 高い(99.7%) |
使用可能な対象者 | 喫煙者、高血圧、40歳以上の方 | 制限あり(喫煙者や高血圧の方は注意) |
副作用の頻度 | 不正出血が多いが、吐き気や頭痛は少ない | 吐き気、頭痛、むくみなどが比較的多い |
🧪 臨床試験の結果と安全性
スリンダ錠28は、国内外の臨床試験において高い避妊効果と安全性が確認されています。国内第III相試験では、20歳以上の妊娠可能な女性を対象に、血中エストロゲン濃度が平均30pg/mLを超えて推移し、骨密度への影響は認められませんでした。
また、海外第III相試験では、子宮内膜の厚さの減少や子宮頸管粘液の粘度増加が確認され、避妊効果のメカニズムが支持されています。
⚠️ 主な副作用
スリンダ錠28の服用により、以下の副作用が報告されています。
不正性器出血(約89.9%)、下腹部痛(13.4%)、月経異常(14.9%)、頭痛(16.3%)、腹痛(12.3%)
これらの副作用は、服用開始から数ヶ月で改善することが多いとされています。
スリンダ錠28は、エストロゲンを含まないことで血栓症リスクを低減し、従来の低用量ピルが適さなかった方々にも新たな選択肢を提供する避妊薬です。特に、喫煙者や高血圧の方、40歳以上の方などにとって、安全性と効果の両面で注目されています。服用開始時には不正出血などの副作用が見られることがありますが、多くの場合、時間とともに軽減されます。スリンダ錠28の服用を検討される際は、ご相談ください。
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